電験3種過渡現象の問題傾向と解き方

電験3種

電験3種理論の頻出問題、過渡現象ですがその傾向はバラバラです

例として、H13(2001年)~R5上期(2023年上期)までをピックアップしてみました。

最近は過去問から出題される場合もありますが、基本的には問題傾向の法則は存在せず、原理をしっかりと理解することが必要です。

本項では基本的なRL回路とRC回路について解説します。

①RL回路・・・抵抗(R)、コイル(L)と電源・スイッチで構成された回路

スイッチSを入れたときを\(t=0\)とすると、回路に流れる電流\(i(t)\)は下図の様に変化します。

スイッチ入の瞬間は \(i=0\) ,定常状態のときは \(\displaystyle I=\frac{E}{R}\) になるのが特徴ですね。

②RC回路・・・抵抗(R)、コンデンサ(C)と電源・スイッチで構成された回路

スイッチSを入れたときをt=0とすると、回路に流れる電流\(i(t)\)は下図の様に変化します。

スイッチ入の瞬間は \(\displaystyle I=\frac{E}{R}\) ,定常状態のときは \(i=0\) になるのが特徴ですね。

例題として、H29(2017年)の電験3種理論で出題された過渡現象を解いてみましょう

(ア)は\(t=0\)の初期状態について問われています。

スイッチSを閉じた瞬間はコイルLに電流は流れないので、コイルは開放と見なせます

これより、\(\displaystyle I=\frac{E}{R_1+R_2}\)と導くことができます。

(イ)はスイッチを閉じた後の定常状態について問われています。

定常状態だとコイルは短絡状態と見なせるので、分流の法則より\(R_2\)に電流は流れなくなります。

これより、\(\displaystyle I=\frac{E}{R_1}\)と導くことができます。

上記より答えは(1)となります。

最初はイメージが掴みにくいと思いますが、過去問でいろんなパターンを解くと慣れていきます。

後は時定数も頻出なので覚えておきましょう(将来的に2種以上を狙う場合は微分方程式で導出できるとベストです)

RL回路の時定数・・・\(\displaystyle τ=\frac{L}{R}\)

RC回路の時定数・・・\(\displaystyle τ=RC\)

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